震災以後のアメリカで反日感情が高まっているというデマ

 

3月18日、以下のような記事が掲載される。

■米“放射能パニック”隠蔽政府にヒラリー激怒「信用できない」 – 政治・社会 – ZAKZAK (2014/4/9リンク切れ)

この中に、『東京電力福島第1原発の事故を受け、米国内で「反日感情」が高まりつつある。』『今週に入り、米政府やメディアは総じて日本に厳しい。悲惨な大震災への同情はどこかに吹き飛んでしまった。』等、政府含めて日本人に対しても反日感情が高まっていると思わせる内容。

これについて、町山智浩氏にTwtterで質問が行き、町山氏はそれを否定すると同時に、在米の人たちに同じく質問。

それに多くの海外在住の人たちがTweet。

Togetter – 「町山智浩さんのつぶやきと世界の人たち」

海外の人は反日どころか心配してくれているという、非常に多くの反応がある。

また、記事中で「日本の指導者の欠陥が危機感を深める」という見出しで書かれているとされたニューヨーク・タイムズも、”Sympathy for Japan, and Admiration”(日本にシンパシーと尊敬を)という記事が出ていたとのこと。

Sympathy for Japan, and Admiration – NYTimes.com

その後、町山氏によるこの記事の検証。

ZAKZAK反日記事のソースを調べてビックリ – ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記

記事の中でソースが示されているのは

「日本の指導者の欠陥が危機感を深める」
ニューヨーク・タイムズ紙は16日、こんな強烈な見出しで、菅首相が臨機応変の対応力や官僚機構と円滑な協力関係に欠けるため、国家的危機への対処を大幅に弱くしている、と指摘した。

の部分だけだが、これは東京在住のヒロコ・タブチ、ケン・ベルソン、ノリミツ・オーニシという三人の記者が、日本国民の間で政権に対する不満が高まっていることを日本から報告した記事とのこと(こちらもざっと見た限り、政府への批判の声があるのはともかくとして、あまり確実性はないように個人的には感じましたが)。

NYT: Japan’s leadership flaws deepen sense of crisis – World news – Asia-Pacific – msnbc.com
Dearth of Candor From Japan’s Leadership – NYTimes.com

つまり、日本人に対しても反日感情が高まっているというもののソースはどこにもない。そしてTwitter上の反応は先の通り。

 

まとめ

「アメリカで(震災以後)反日感情が高まっている」という情報には、全く根拠がない。

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