これ系のニュースが溜まってきたのでちょっとまとめてみます(本来は少ないというかないにこしたことはないのですが、というかそもそもこのサイトの存在意義がないのが一番いいのですが)。
今回は世界的にはアメリカのトランプ大統領周りのものが多かった感じが。ここに書いてないもので現在進行形のものなどもありますが、それも追々。
あと、「嘘ニュース」や「デマ」という言葉が去年後半あたりからネット上でも知名度というか存在意義を増していますが、それと同時に「デマ」が便利ワード化してしまう危惧も感じます。つまり真実の検証より、「あれはデマだ!」と出す声が大きい方が勝ってしまうような状況にはしてはいけないだろうと。そうすると「『あれはデマだ!』というデマ」という余計やっかいなものが流行してしまうので。
「韓国人による日本人女児強姦」という嘘ニュースとそれを流した嘘ニュースサイトの件
「大韓民国民間報道」というサイトから拡散された「韓国人による日本人女児強姦」というニュースが嘘であり、そのサイト自体が嘘ニュースを流す目的であったこと。
この件についてBuzzFeedが検証のほか、サイト運営者に取材をしている。
「トランプ大統領の就任演説写真は捏造」というデマ
2017年1月23日ごろ、その数日前に行われたトランプ大統領の就任演説の報道機関の写真は捏造とする注釈付(「メディアがトリミングして観客がガラガラだと報道した場所」「反トランプ支持者が入場口で妨害したために人が溢れている場所」と書かれている)の比較写真画像がネットで出回り大量のRTが行われる。
しかし注釈のついている写真は大統領就任式と別の日のもの(20日の大統領就任式の翌日21日にあったデモ行進のもの)となっている。
「トランプ抗議デモ参加者に2500ドル支給の広告」という誤報
ワシントン・タイムズ紙(米の大新聞社「ワシントン・ポスト」とは全く関係がないことに注意)が「トランプ次期米大統領に反対する抗議行動への参加者には毎月2500ドルの手当てが支給されている。」という記事を掲載。そしてそれを訳したニュースサイト日本語版(スプートニク日本語版)や有名人のTwitterなどで拡散されるが、その記事自体が誤報であり、ワシントンタイムズも後に修正。
ただし、元の誤報を元にした翻訳記事は今も残存しているので注意。
電子歯ブラシが爆発して歯がなくなったというデマ
1月11日頃、「電動歯ブラシが爆発して歯が全部無くなった」という英文翻訳ニュースが日本のニュースサイトで流れましたが、これのもとはWorld News Daily Reportという海外嘘ニュースサイトのもので、事実ではないことが判明。その後ニュースサイトにおいて訂正謝罪記事掲載。
ちなみに類似のニュースとして、「電子タバコが爆発した」というニュースも流れた。こちらは本当の模様。ただしこちらはニュースが流れた後、市販のものではなくそれをもとに改造したものだったというもので、日本語で報じられたニュースでも追記が付け加えられた。
■アメリカ人男性、口の中で電子たばこが爆発…その生々しい様子が伝えられる(閲覧注意・追記あり)|ギズモード・ジャパン
龍角散がドーピングに引っかかるというデマ
1月上旬、「龍角散のど飴」がドーピング指定されたという情報がネットに流れる。これは今年1月1日によりドーピングの国際基準が変更になり、「南天」を含むものが使用できなくなるが、それが誤解釈されて龍角散のど飴にそれが含まれる→禁止になるという感じで流れ、まとめブログでさらに広まった模様。
しかし龍角散のど飴にはドーピングに該当する成分「ヒゲナミン」は含まれていない。
当社の「龍角散ののどすっきり飴」シリーズには「ヒゲナミン」は一切含まれておりませんのでご安心ください。https://t.co/r3X6Ol6Vmd #龍角散
— 龍角散 (@Ryukakusan_PR) 2017年1月11日
アパホテル会長が「中国人の予約は受けない」と発言したという誤報
最近南京大虐殺に関する書籍の部屋設置やそれに関する言動の件で最近話題になっているアパホテルの会長が、かつて『中国人の予約は受けない』と発言したと韓国の中央日報が1月24日に報じ、そこの日本語サイトで公開。
しかしこれは「サイトが止まっている状況ですから、予約ができないと。アパの公式サイトからの予約ができないと。中国からも、予約しようとしたら、その…あれが…予約を受け付けない…と」としたものを誤訳して、それがそのまま再度日本語訳して最初の発言と違って伝えられた模様。その後中央日報の日本語記事は削除。
逮捕された講談社編集者が『進撃の巨人』担当という誤報
2017年1月10日、講談社の編集者が殺人容疑で逮捕されたという報道がありましたが、一部報道においては「『進撃の巨人』の立ち上げ担当」とあったものの、担当した事実はなく、掲載誌の創刊スタッフであったという講談社からの訂正情報。
個人的にはそもそも、こういう事案で逮捕事由と関係のない作品名を出す報道自体どうかと思うのですが。
マクドナルドの『肉』の正体が判明したという情報の検証
「イギリスの有名シェフが、マクドナルドを相手取った裁判で勝訴し、『肉』の正体が判明し」、「本物の肉の代わりに、食用肉から出たくず肉、腱、脂肪、結合組織を混ぜたものからなるペースト状の生地と、アンモニアから作られたものを使用していたことが証明された」というネットで流れたニュースの検証。
その他ニュース・よみもの
虚構新聞について。
フェイスブックが「偽ニュース」抑制へプロジェクト始動した。
セキュリティ
マイクロソフトを騙るフィッシングメールについての警告。
「取引情報が更新されました」などそれらしい件名で偽装したウイルス付メールについて警視庁からも注意喚起が出ている。