誤報ソースになることが多いサイト「Businessnewsline」とは?

最近ネットでニュースを見回っていると、よく「BusinessNewsline」というニュースサイトの記事がはてなブックマークやリツイートなどで出ていることがあります。また、そこをソースとして2chのスレやそこを経由してまとめサイトのソースとなっているケースもよく見かけます。

しかし。このサイトに関しては、デマ、誤報が流れた時にその発生源となっているケースが非常に数多くあります。

その例示と、はたしてこのサイトは何なのか、というところをちょっと書いてみようと思います。

フィンランドがベーシックインカム導入という誤報

過去このブログでも、そこのソースを否定したエントリーを立てています。

フィンランドがベーシックインカム導入という誤報
海外英文記事から日本語記事へ 2015年12月7日、海外記事において「Finland plans to give every citizen 800 euros a month and scrap benefits」と、フィンランドが国民全員に800ユーロを支給へという記事が書かれる。さらに「The country's government will make a final decision on the plan in November 2016.」と、2016年11月...

これは2015年12月7日、海外記事において「Finland plans to give every citizen 800 euros a month and scrap benefits」と、フィンランドが国民全員に800ユーロを支給へという記事が書かれたものをもとにしてBusinessNewslineで記事になったもの。

■(archive)フィンランド、国民全員に800ユーロ(約11万円)のベーシックインカムを支給へ – BusinessNewsline

この記事をもとにまとめサイトなどで拡散。

しかしこれはフィンランドがベーシックインカムを導入するというのは、あくまでもこの制度の調査が始まるというだけで、決定したというのは誤報でありました。フィンランド大使館からTwitterで訂正される流れとなりました。

『自作AIに仕事をさせていた市のヘルプデスク職員が停職処分になった』というデマ

ニューヨーク州で、自作AIに仕事をさせていた市の職員が停職処分になったというニュースが、2015年の10月頃に流れました。

■(archive)ニューヨーク市のヘルプデスク職員、自作のAIプログラムに仕事をさせて停職処分 – BusinessNewsline

このソースをもとに、『はちま起稿』などまとめサイトで拡散(archive)。

しかし、停職処分を喰らったニューヨーク市の職員はいても、それはふざけたロボット声を出したことが停職理由となっています。つまりAIとは何の関係もありません。これは幾つかのサイトが指摘しています。

人間楽したいと思うのは世界共通なのか、こんな記事が載りました。 blog.livedoor.jp そこまで楽したいか!というか、そんなこと技術的に可能なのか!という疑問がフツフツとわいてくるので、さっそく調べてみましょう。 【追記】 この記事を書いた後に調べてみたら、既にデマであることを何名かの方がまとめられていますね...

ちなみにこの件の正しく翻訳されたニュースは以下。

『ベネズエラ経済でもっとも影響力のある人物はホームセンターの店員』に含まれる誤り

【12/23 追記】 @nodakoさまより、本記事に関して有用なご指摘をいくつか頂きました。詳細は、当該記事をご参照いただくのが確実かと思いますので、リンクを載せさせていただきます。 venezuelainjapanese.com ワタクシの記事の訂正部分としては、 ・ドーラトゥデイの管理人は反政府の大金持ちだろうと...

Businessnewslineにおいて、「アラバマ州にいるHome Depoの店員で、ベネズエラの財務大臣や中央銀行総裁を超えて、ベネズエラ経済でもっとも影響力のある人物になっている」と報じられました。

■(archive)ベネズエラ経済でもっとも影響力のある人物はホームセンターの店員 – BusinessNewsline

内容はDolarTodayという人物がベネズエラの闇での通貨交換レートの情報サイト管理人を務めており、そこが実質的な通貨交換レートとなっている。ベネズエラ政府は彼の情報サイトを閉鎖すべく、自動車に時限爆弾をしかけるなどの暗殺を試みてきた。Díazは2005年に米国に亡命したが生活はギリギリで、HomeDepoの店員として働いている、という話

しかし上記の検証によると、ベネズエラ経済に大きな影響を与えているサイト自体は存在するものの、Businessnewslineの記事の写真は大統領の写真であり、Diazではないこと、そしてDiazは元々軍の大佐であり政権に敵対する人間であり、自動車に爆弾がしかけられたのも10年以上前で、サイトと直接の関係が薄いとされました。

ここ経由でデマとなる基本パターン

基本的にここをソースとするデマのパターンは、
英文のニュースがある(ソース元はそれぞれ違う)
→Businessnewslineで日本語に訳されて記事になるが、その際の翻訳でかなり意訳的なところが見受けられ、誤報となっているもの、もしくは誤解を与えるケースがある
→その間違いのまま受け取ったまとめサイトなど(2chまとめの場合2chを挟むが)が完全な誤情報として伝播させてしまう、さらにそのまとめで間違いの方向にさらに固めてしまい、完全にデマとなってしまう
という展開が多いようです。

そもそもBusinessnewslineとは何なのか

ではそもそもBusinessnewslineというサイトはどのようなサイトなのでしょうか。

一見するとニュースサイトで、且つ海外のニュースが主体であるので、名前からして「海外にあるニュースサイトの日本語版」という印象を受ける人もいるでしょう。しかし、それについてはいつくもの検証があります。

以下の記事にて、「AIに仕事を肩代わりさせていた」職員が存在しないことを検証しました。 ibenzo.hatenablog.com 今回は、巷では「ソース記事の大誤訳」というところで落ち着いていますが、どうもそのソースサイト自体が怪しい感じなので、出遅れた挽回も含めて、もう一度検証してみます。

ここでは「Businessnewsline」の記事は日本語版しか存在しないということ、さらに英語のライターの名前も検索で見当たらないことが挙げられています。

また、ドメインから調べた方もいらっしゃいまして、Businessnewslineの関連サイトについても触れられています。

追記(10/23):BusinessNewslineのつづりを間違えているという指摘をいただいたので修正しました。すみません。。 さいきん立て続けにBusinessNewslineというメディア?の記事に引っかかってるひとを見かけたのでちょっと調べたことをメモ。 私は↓の記事を読んで、ここの記事はもう信用しないことにし...

さらに以下のブログでも検証があり、ここでも関連サイトの存在について書いてあります。

OpKillingBay絡みで成田空港のウェブサイトがダウンしたという件について、辻さん @ntsuji のブログ記事「アノニマスのOpKillingBay 2015の実績をツイートから追ってみました」(12月21日アップ、1月に随時更新)と、@piyokangoさんのブログ、「2016年1月に発生した成田空港のWeb...

しかしここでの指摘通り「newslinegroup」の「about」に書いてある「chief Editor」を見ると、なんだか洋楽ファンにはおなじみな人の名前があるのですが、さて同姓同名なのかはたまた。

そもそも「about」には「Newsline Foundation is a non profit organization (open group) born in Japan, 1999.」と、日本で生まれたと書いてあるので、日本製のサイトというのは確定でしょう。Brian JonesさんがChief Editorというのが本当かどうかはわかりませんが。

まとめ

上記のことから、ここは海外ニュースサイトの日本語版ページのように見えますが、実際は海外ニュースサイトとは関係がない日本運営での英文記事を再構成しているまとめサイトという可能性が非常に高いと思われます。つまり、techcrunchなどのように海外のサイトの日本語版ではありません。

そして、デマのソースとなるのは、翻訳がかなりいい加減、もしくはタイトルがまぎらわしいことがあるからですが、それが拡散してしまうのは各種まとめサイトが(2chなどを介して)信憑性を確認しないどころか、より煽るようなタイトルをつけ、事実とは異なる方向でまとめてしまうことが原因として大きいと思われます。

今回、わざわざ書いた理由は、最初に書いたようにここをソースとして直接、もしくはまとめサイトを経由してのデマが過去何度も起きていて、このままではまた同じパターンで起きる可能性があると思ったので注意を促すためです。

とはいえ、誤訳による誤報はこのサイトに限ったことではありません。海外の英文などの記事をソースとするニュース(たとえば「海外の反応」系など)は、誤訳により内容が食い違ってデマとして広がるケースが度々見られます。それは外国語翻訳記事は元記事の確認が難しい(めんどくさい)ので、間違えても、もしくは内容をねじ曲げて翻訳しても気づかれにくくなっているのが大きいでしょう。

また、最近では大統領選で話題となった海外の嘘ニュースサイトや風刺サイトをソースとして翻訳し、それがデマとなっているものもあります(海外の風刺サイトや嘘ニュースサイトについてはそのうち書きます)。

翻訳記事を読む場合、そういった誤訳がないか、ソースはどこか、というのを考慮する必要があるでしょう。まあ注意が必要なのは翻訳記事に限ったことではないですけど。

おまけ

調べている途中でググりまくったのですが、このbusinessnewsline、Googleニュースで検索すると記事ががっつりと出てきます。

businessnewsline – Google 検索

うん、まあ、Googleニュースのソース元って多様なんだなあと。

追記(2017/3/2)

同サイトに行くと、「Newsln」(newsln.jp)というサイトにリダイレクトされるようになりました。運営元は同じで、おそらくサイト名称とURLが変更されたものと思われます。

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